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雑駁なあれこれ

脈打つ

 先日11月8日に日向坂46の2ndアルバム『脈打つ感情』がリリースされました。約3年ぶりとなる今回のアルバムのコンセプトは「ライブ感」。ライブのセットリストを意識した曲順や、『誰よりも高く跳べ!』『キツネ』『JOYFUL LOVE』といった日向坂のライブの定番曲では、先日まで行われていたツアーでのライブverが収録されているなど、随所にそのこだわりが感じられます。私的に、このライブverがめちゃくちゃ良かったです。佐々木久美キャプテンの「ライブでみんなで最強になりたい」という言葉の「みんな」には、メンバーだけでなく日向坂のライブを訪れたファンも含まれていて、いっしょに高みを目指していこうという気概を感じました。そんな2ndアルバム『脈打つ感情』の新曲を中心とした感想文記事です。

 ちなみにこれは余談なのですが、私は発売日当日は朝から学生の実験を指導していて、夕方にそれが一段落して機器の待ち時間にCDを回収しに行きました。そして何気ない顔をして戻ってきて再び学生に指導をしてました。他にタイミングなかったんか。

 今回のアルバムはTypeA、TypeB、通常版があるのですが、とにかくTypeAがでかい。ほとんどピザ箱。

 収録曲のうち、新曲はリード曲『君は0から1になれ』と、期別曲がそれぞれ4曲収録されています。

 

○リード曲『君は0から1になれ』

 キャプテン佐々木久美さんセンターの、今回のアルバムのリード曲。MVもアップされていますし、歌番組でも何度か披露されています。また、MVだけでなく、先日公開された「ひなリハ」動画がまた良いです。

 


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 曲についてはもう何度か書いていますが、この2ndアルバムというタイミングでのキャプテンセンターというのは色んな意味があるのでしょう。まぁそんなことを考えずとも、とにかくライブ映えする曲です。初披露となった福岡公演2日目のステージは最高にカッコよくて、半端なく楽しくて、めちゃくちゃ良かったです。はい。今後、横浜Kアリーナでも披露されることでしょうし、きっとライブの度にどんどん洗練されていく類の曲でしょうから、それがとにかく楽しみです。

 

○1期生曲『最初の白夜』

 イントロから静かな夜と美しい情景のイメージが想起される1期生曲。いや、やられましたわ。今回の新曲の中でも、私は特にこの曲がぶっ刺さりました。センターは今回のアルバム活動をもっての卒業が発表されている潮紗理菜さん。綺麗なピアノの旋律からの潮さんの歌始まりというのがめちゃくちゃ良い。餞の曲として素晴らしすぎるじゃないか。潮さんが以前ラジオかインタビューかで「いつかオーロラを見に行ってみたい」と話していたこともあってのこの「白夜」という曲名はズルい。1期生曲はこれまで、わちゃわちゃとした「1期生の雰囲気」みたいなものが楽曲にも投影されていて、ライブでもバカほど盛り上がるものが多かったのですが(いい意味での悪ふざけ感があって)、それらが全部フリとなってTHE しっとりソングに仕上がっているのがニクい(1期生のファン)。ひらがなけやきの発足から、改名、後輩の加入、仲間の卒業など、酸いも甘いも辛い経験も全部一緒に乗り越えてきた一期生だからこそ見られる景色だな、とくらわされました。また、潮紗理菜さんセンターの期別曲は一個前が『真夜中の懺悔大会』で、これも夜をテーマにしていたのが、今回の曲とのつながりを感じます。こちらはお互いの秘密を打ち明けることで「共犯関係」であることを楽しむ曲ですが、その夜を過ごした仲間たちと白夜の空を眺めているような光景をイメージせずにはいられません。素晴らしすぎる。いや、さりなちゃんほんまに卒業してしまうん…???

 

○2期生曲『自販機と主体性』

 個人的に、今回の新曲の中で一番難しかったです。2期生曲はこれまでもダークな雰囲気の反抗心を表現された曲が多かったですが、今回の期別曲もまさにそういった感じです。わかりやすい特徴としては三拍子であることで、センターの松田好花さんもラジオで「ミュージカルっぽい」と話されていました。なので、ライブで披露されることがあるとしたらそのパフォーマンスはちょっと楽しみだったりします。しかし「自販機の飲み物を選べない」というよくあるシチュエーションを切り取ってそれを社会に対する叫びにまで拡張させるのはすごいなぁと思いました。考えてみれば自販機の選択肢自体が用意されたものですしね。

 

○3期生曲『青春ポップコーン』

 コミカルなイントロが特徴的なTHEアイドルユニット曲感丸出しの『青春ポップコーン』は3期生曲。難しいこと考えなくてもつい体がノリだしてしまい、コールも楽しくてライブで披露されたらめちゃくちゃ盛り上がること間違いなしでしょう。3期生の食べ物ソングはもはや定番で、過去には『この夏をジャムにしよう』『ゴーフルと君』『パクチー ピーマン グリーンピース』がありましたが、その4曲目になります(not食べ物曲は『Right?』『愛のひきこもり』だけだったはず)。センターポジションが大食らいで有名な森本茉莉さんなのも良すぎます(といっても4人だけのダイヤモンド型フォーメーションなわけですが)。「面倒なことを考えるのはやめて、恥も捨てて今を楽しもうぜポップコーンみたいに弾けようぜ」という、余計なことが入り込む隙のないパーティソング。なんてたって「バズーカみたいにぶっ放せポップコーン」だから(バズーカみたいにぶっ放せポップコーン…?)。

 

○4期生曲『ロッククライミング

 前回では魔物の戦わされてた(『見たことない魔物』)四期生が今度は壁を登らされています。坂道を登るってレベルじゃねぇぜ。まぁそんな冗談はさておき、応援ソングなんだけど爽やかな仕上がりで、今のタイミングの四期生にしか出せない味がしていて、とても好きです。『ロッククライミング』のセンターは鳥取県出身の平尾帆夏さん。私は地方出身メンバーを特に応援してしまう癖(キモ癖)があるので、平尾さんセンターはめちゃくちゃいいなと思いました。あとシンプルにひら砲の歌声が好みです。壁を登るためには前を向くを通り越して上を向かなくちゃいけないわけで、この曲が今の四期生のなにかのきっかけになれば良いな、と思いました(誰目線なんだ?)。先日発売した4期生特集の『BRODY』を読んでおくと余計に刺さる曲でもあったりします。

※『BRODY』12月号

 

 そんな、『脈打つ感情』についてでした。