後ろ向きには最適の日々

雑駁なあれこれ

カモ車検

 2月20日。月曜日。昼間はポカポカと暖かかったものの、夕方頃からは急に冷え込んだ一日でした。着るものに困るわい。午前中は実験室で作業をし、昼に一旦抜け出し愛車の青の6号(ボディが青いから)を近くの車屋さんに入庫してきました。2年に一度のクソイベントこと車検です。代車を受け取り、すぐさま研究室に戻って作業という一日です。

 2週間ほど前にしてもらった見積もりの時点で「想定してたよりも高ぇな…」と思っていたのですが、今日の車検ではさらにほんの少しだけそれよりも高かったです。ですが、こっちはそれももはや想定済みです。なめてもらっちゃ困るぜ。車検ってだいたい想定より2割増しで高くなるもんだから。きっと不要なオプションもつけられてカモられていたのかもしれないけれど、そんなもんにはビビりません。今日の車検でも「ヘイヘイヘイ、こっちはズブの素人だぜエンジンライン洗浄とか防錆処理とか本当に必要なのかもわかんねぇもんもガンガンアピールしてこいよメーン?」という気持ちで臨みました。なのでカモとして自覚している分、こっちの勝ちなのです(?)。完全勝利、向かう所敵なし、生粋のカモっぷりでした。

 そんな与太話はさておき、午後には研究室に戻って実験の続きを。あとは論文の作成もごちゃごちゃと。いつの間にか夕方になっていて、車検を済ました愛車を引き取ってお家に帰りました。車検と合わせて色々と整備をしてもらった愛車の乗り心地は、全くわからなかったです。クソ鈍感。これには車屋さんも整備のしがいがなかったことでしょう。ざまぁみやがれ(???)。

 

 最近読んだ本の話。サトミツこと佐藤満春さんの『スターにはなれませんでしたが』を読みました。

 いやはや、良いエッセイでした。エッセイもちょくちょく読みますが、最近読んだ中では特に良かったです。結局エッセイの良し悪しって、読者が著者自身へ興味(愛)を持っているかどうかが大きいのだろうな。当たり前のことかもしれませんが…

 現在、芸人であったり放送作家であったりトイレ専門家など多方面で活躍しているサトミツさんが、いかにして現在に至ったか。どう芸能界という世界をサバイブしてきたかを綴っています。もちろんエッセイなので著者自身の体験がメインなのですが、芸能界で戦っているわけではない自分にもぶっ刺さる文がいくつかあって、読みながらため息ばかりついていました。あと、帯にもありますが、諦めることってそんなに悪くはないことだなと思ったし、自分のことを肯定してやりたくもなりました。

 そんなわけで内容は素晴らしかったのですが、ただ一つだけ、これは個人的な感覚だし内容じゃなくて編集の意向だと思う点で気になったことがあります。他のエッセイでもたまに見かける手法なのですが、いかにも金言っぽい文章が太字になっているのですね。これがどうも受け付けないのです。なんというか、本の側からの「これ名言でっせ!」感が強すぎる。エッセイって、その人の歴史や人生の中での選択やアイデアが文章に落とし込んであるわけですが、歴史の中でのその瞬間には「これは大事だ!素晴らしいアイデアだ!」という感覚はないはずです。振り返った時に「もしかしたらあのときのあのアイデアは大事だったのかもしれないな」とじんわりと意味付けされるものだと思うのです。だからそれを太字で強調されると急に説教臭くなるというか。教科書じゃないんだからさ。読者がどこのページのどの文章を「おっ!」と思うかも自由なわけで、それを強要される感じがどうも苦手なのです。

 あと、私はサトミツさんのことをラジオなりで少しは知っているのですが、どうもご本人のイメージが「エッセイで金言を押し付けてくる人」とマッチしないのです。そこにすごく違和感を覚えました。だからきっとこのセンスのない太字ガンガンのデザインも編集のせいなのでしょう(と書いていてゴリゴリに本人の意向だったらただただ申し訳ないですが…)。もちろん、それはさておいて内容は素晴らしかったです。

 そんな月曜日でした。