後ろ向きには最適の日々

雑駁なあれこれ

発表テク

 11月29日。火曜日。朝から激しい雨が降り続いていたわりに、暖かかった一日でした。暖かいというか生ぬるい感じで、終日ヘンテコ天気でした。ゴワゴワ上着を着ていったのは完全にミス。

 朝7時半から日を越えた25時ぐらいまで研究室にいました。さすがに今日も疲れ果てました。といいつつやっていることといえば、実験室でピペット(溶液を分注する道具)をにぎにぎしていただけで、そこには人間の尊厳というものはありません。ゲボゲボに疲れたわい。

 また、今日は午前中に講義のお仕事があって、さらに今週末には研究テーマの付き合いのある企業の現場の人に向けての報告会があります。こういった、ターゲットがガラリと異なる場でその対象の人に合わせた発表をするには、例え同じ内容だったとしてもそれなりにアレンジする必要があります。「何を伝えるか」「何を一番聞いてほしいか」ももちろんそうですし、それ以外にも対象によって細かな専門用語をどれだけ使うかも変わってきます。専門家が多いような学会発表などでは、ある程度のワードや実験方法も知っていること前提に説明なしで使うこともありますが、そうでない場合(今回のような場合)は、思ってもなかった基本的な部分の質問が飛んでくることも多々あります。しかもそういう質問ほど、実は研究の本質に関わっていることも多いです。きっと変な先入観がないからこそ、質問もピュアで鈍っていないのでしょう。子どもは身の回りに不思議が溢れているからこそ、大人が答えられないような疑問を臆することなく投げてくるのと同じです。なので、専門家相手じゃなく一般向けの発表を数多くこなしている人の方が凄くて、教師も高校よりも小学校の先生の方が凄いと認識しています(「伝える」という技術についての話です)。またこのようなテクニックは表立って目立たたないものだから余計に凄いのです。

 そんなことを思いました。果たして報告会、どうなることやら…