後ろ向きには最適の日々

雑駁なあれこれ

接続

 12月9日。木曜日。天気は良いけど相変わらず寒い一日。先日買った、もこもこワークマンパーカーも大活躍しております。暖かさはもちろんのこと、「ペットボトル2本とタブレット端末が入ります」が謳い文句の大容量内ポケットも、はじめは「そんなんいるぅ?」と馬鹿にしていたのですが、思いの外助かっています。A4サイズもすっぽり入るので本屋にいっても袋を買わなくて良いの、地味にすご〜〜〜く重宝しています。やっぱりワークマンは間違ってなかったのだ…

 さてそんな木曜日。朝7時から研究室へ。最近はだいたい7時頃に研究室に行き、21時から23時ぐらいまで過ごしています。実験室で試薬作りとサンプル採取をして過ごします。先週注文した1 mmサイズのシリンジも無事届いたので採血作業が捗っています(でもこの感動は伝わらないもの)。講義の試験問題も無事完成し、送付しました。こういう作業が続くと、年末だなぁ〜とほんのりと思うものです。

 ほんのつい数日前、キズナアイが無期限活動休止を発表して、話題になっていました。別に私自身はVtuber界隈にどっぷりとはまったわけではないのですが、「そうかぁ〜」と少しだけ感慨深くなりました(「感慨深く」って使い方あってるのか…?)。どっぷりハマっていたわけではないですが、キズナアイの初期の頃はちょこっとだけ動画を観たこともあります。初期から中期の「Vtuber」という存在が徐々に世に浸透しつつあるときは、肉体を捨て去ることによる可能性みたいなもの、それこそSFっぽさを感じたものです。ちょっとだけVtuberやバーチャルタレントというものついて調べたりもしました。ですがその後、いつの間にか話題になるのは稼いだスパチャの金額か中の人間のいざこざぐらいになっていて、心底がっかりしたのを覚えています。もちろん、今もバーチャルの可能性を追求して「面白そうなコト」をし続けている人もいるのかもしれませんが。ラムネプロジェクト(数少ないちゃんと触れたコンテンツ)も、面白い試みだったのにいつの間にか頓挫している感じですし…

 話は脱線しますが、この状況、『たったひとつの冴えたやりかた』や『愛はさだめ、さだめは死』で有名なジェイムズ・ティプトリー・Jrの短編小説『接続された女』で書かれていたのと同じじゃねぇかと思ったのです。『接続された女』は、自分の容貌が嫌で自殺を図った女性が、死にきれず(助けられてしまい)広告会社で遠隔操作で動く人造美少女のブレーンとなる話です。美少女は操り人形の広告塔(広告の禁止された世界なので、広告塔であることは隠して)として成功し、さらにはガチ恋勢まで現れるんですけど、最終的にはガチ恋勢の男がその美少女を助けようと病院に乗り込み、美少女の皮じゃない醜い容貌の中の人を見てしまって…って感じのストーリィです。まんま現代のVtuberステルスマーケティングガチ恋勢の出現やらを予測していたかのような物語なんですが、発表されたのは1970年代というね。すげーな。

 話が脱線しましたが、そんなわけですっかりVtuberという可能性にがっかりな私ですが、キズナアイVtuberの黎明期を支えた存在として、やっぱりちょっとだけ残念に思ったのでした。そう考えると、未だに活動が続いている初音ミクってとんでもねぇんだな…とも改めて思います。