後ろ向きには最適の日々

雑駁なあれこれ

推せる世界

 11月22日。火曜日。終日曇り空だったけれども、気温はそこまで低くもなくて過ごしやすかった一日。今日はまぁ疲れ果てました。朝7時から夜9時まで実験室で作業をしつつ、途中、仮眠という体のガチ寝も挟んで過ごしました。バタバタしすぎててゲボ吐くかと思った…

 作業自体は慣れたもんですし、そもそも大したことはやっていないのですが、何度も書いているようにサンプル数が半端なく多いのです。明らかに外注した方が早いだろぉ?とも思いましたが、そこは予算のせいです。貧乏暇なし。こんなところにも経済は入りこんでくるのです。全部自由主義が悪い。

 帰る頃にはすっかり疲れ果てていたので、帰りに書店によって文庫本を1冊購入(なんで?)。あと、今日発売のrayの表紙が日向坂46キャプテンの佐々木久美さんで、その表紙がベリー可愛かったのでつい手にとってしまいました。

 ありえんくらい推せる世界だろこれ…

 女性誌はこういうタイミングぐらいしか買わないのですが、その安さに毎回ビビります。アイドル雑誌なら軽く1000円オーバーするのに、700円台で買えるのね。まぁ、化粧品等のスポンサーの数が段違いなのでしょうけれども…

 

 最近読んだ本の話。

 諸橋憲一郎『オスとは何で、メスとは何か?』と岸見一郎『エーリッヒ・フロム』を読みました。ノンフィクションの新書が2冊でした。

 『オスとは〜』は、「オス」と「メス」というのはかっちり決まっているものではなくグラデーションのように変動するものである、というのを動物の性をめぐる生存戦略を例にとって解説した本。本の中では「性スペクトラム」と表現されていました。なんというか、いかにも時代に沿ったテーマというか、きっと出版社側がこういう内容で書いてくれと著者に頼んだんだろうなぁ…というのが透けて見えました(勝手な想像です)。性決定のメカニズムについての説明など、すでに知っている部分が多かったですが(なんてたって生物は専門ですから、ふふん)、読みやすくて良かったです。

 ただ、著者の「オス・メスを二元論で考えるのではなく、100%オスから100%メスのグラデーションで捉えるべき」というアイデアは納得しつつも、「100%オスの状態」また「100%メスの状態」がどういうものなのか定義しなくてはならず、問題を先送りにしているだけなのでは?とも思わなくもなかったです。まぁ一般向けの新書なのでそこまで言及されていないだけで、きっと著者もそのへんは指摘されていたり、すでに考えているものなのでしょうけれども。

 『エーリッヒ・フロム』は、講談社現代新書が最近始めた1000円100ページちょっとで有名な哲学者や社会学者について学ぼうシリーズ。このシリーズの中で私が読んだのはウィトゲンシュタインに続いて2冊目でした。フロムといえば「自由からの逃走」で有名ですが、そのアイデアに至るまでの生い立ちなどがざっくりと説明されていて、こちらも読みやすかった。フロムの本は以前に『愛するということ』を読んだっきりでしたが、そのフロムの考える「愛」についても言及されていました。私は高校の時に倫理をとっていましたが、それは完全に受験対策としての勉強していなかったので(一部の気になった人物については著書も読んだりしましたが)、こうやって時代背景などと結びつけると理解が深まるもんだなぁ、としみじみ感じました。まぁ受験の時はそこまで理解する余裕もなかったのですが。

 そんな火曜日でした。