後ろ向きには最適の日々

雑駁なあれこれ

鳥・民俗学・百合

 6月17〜18日。金曜日と土曜日。今週一週間、雨やら曇やらが続いていましたが、久しぶりに金曜日はよく晴れた一日でした。そうかと思っていたら土曜日は再び雨。なかなか安定しません。いずれにせよ、天候が悪ければ湿度が高く過ごしにくく、晴れたら晴れたで暑くて過ごしにくいという、しんどい季節です。にも関わらず、大学のすべての研究室や実験室のエアコンには「エアコンの使用は7月から!電気料金高騰!〇〇円削減!」みたいな注意書きと共に封がされているのでたまったもんじゃありません。本当に削減するモノはここからかぁ?などと思ってしまいます。まぁ、どこの大学もお金がないのでしょうけれども…

 一ヶ月の書籍代を1万円までとしているのですが、今月は出費がなかなかかさんでいます。もうすでに今月は2.5万円分くらい使っています。おかしいです。おそらくこれも円安のせいでしょう。私は何一つ悪くないのです。…というのは冗談にしても、本一冊の金額もほんのりと高くなっているような気がします。体感なのでちゃんとデータと照らし合わせているわけではありませんが。あと、ふと思いましたが、海外の翻訳本もこの円安の影響を受けているんでしょうかね。これも別に調べる気はありませんが疑問に感じました。

 今月の書籍代がバカ高くなっている原因はもちろんわかっていて、先日買ったカトリーナ・ファン・グラウ『鳥類のデザイン』のせいなのです(一応これも翻訳本か)。

 表紙のデザインが最高にカッコいいこの大型本がバカ高かったです。税込み6,930円なんて誰が買うねん。でもねぇ、すげぇ欲しかったんですよね。発売は昨年だったんですけど、やはりそのご機嫌なお値段のせいで手が出ませんでした。図書館に行く度にページをめくってみては「いいなぁ…」なんてため息をつく日々が続いてました。ショウウィンドウのサックスとほとんど同じ。で、ようやく今月に入って、つい、うっかり、ひょんなことから、買ってしまったわけです。 

 何がそんなに高くなっているかというと、タイトルにあるように、鳥の骨格や筋肉の構造に関する図鑑のような本なのですが、その図がすべて人(著者)によるデッサン(イラスト)であるということなのです。写真を使えばいいのに、なんて根気のいる作業なんでしょう。企画から出版に至るまで25年かかったという変態っぷりです。でも、そういう変態本(褒め言葉です)に惹かれてしまうのよねぇ…

 

 その他、今週読んだ本の話。菊地暁『民俗学入門』と百合小説アンソロジー『彼女。』を読みました。

 今週は民俗学と百合です。でもまぁ百合も民俗学みたいなところもありますし、ほとんど同じテーマの本です。ええ。

 『民俗学入門』はかなり面白かったです。「民俗学」ってわかりそうでその実体がなんなのかとらえにくいものですけれども、著者は「私達の生活そのものが民俗学である」と、そのハードルをぐっと下げてくれるのです。本文でも、はじめに紹介されるものが、女性の身につけるブラジャーの歴史ですからね(しかもちゃんと面白い)。どの章でも、人々に暮らしの中の何気ないところ・当たり前だと認識していたものから話が進んでいくのでとてもわかり易かったです。

 『彼女。』は表紙画の眼力にもってかれてつい。あと日向坂46の宮田愛萌さんがインスタグラムのストーリーでも紹介してた(ミーハー感丸出し)。著者もだいたい知っている人ばかりで、どの話も面白かったです。個人的には青崎有吾『恋澤姉妹』、斜線堂有紀『百合である値打ちもない』が特に好みだったかも。しかしミステリー作家ばかりだな…

 そういう今週でございました。