本の帯ってツイッター
1月21日。金曜日。1月に入ってからクソ寒い日が続いております。ちょくちょくと雪が積もっては「大丈夫かいな…?」と思いながらおそるおそる運転したりしています。クソ寒いのですが、ここ一週間ほどはだいたい夜型の生活を送っています。実験に必要な機器が所属する研究室にはなく別の「機器室」という場所にあって、必要な時はそこにサンプルを持っていかなきゃならんのですが、日中は別の誰かが使っていたり予約とかが面倒くさいのです。なので、誰も使っていない夜間に利用しているわけです。深夜の利用は推奨されていないのですが(事故が起こった時などのため)、申し訳ねぇと思いつつド深夜まで使っております。すべて私が面倒くさがりの陰キャ野郎なのが悪いの…
チャック・パラニュークの『サバイバー』がつい先日発売したので買いました。パラニュークといえば『ファイト・クラブ』で、『ファイト・クラブ』といえばブラッド・ピットが爆裂にかっこいいあの映画です。私も10年くらい前に観ましたが(映画の公開自体は1999年)、やっぱり爆裂にかっこよかったです(やっぱりブラッド・ピットってすげーや)。そして、原作小説の新版が早川書房から2005年に発売されて、私も読みました。小説版も男臭くて暴力的で耽美で、目眩がするくらいめちゃくちゃ面白かったです。『ファイト・クラブ』を読んでから「他のパラニューク作品出てんのかいな?」と思って調べたことがあるのですが、出てるは出てるのですが、のきなみ絶版&プレミア価格になっていて手が出ませんでいました。で、そっから時を経て新版としてこの『サバイバー』も出版に至ったわけです。それもこれも早川書房に入社された熱烈なパラニュークファンの編集者のおかげです。今では編集長になっているそうですが。『サバイバー』が発売されたので、売れ行き次第で『チョーク!』も『ララバイ』も(これらが高騰化していたやつ。8000円はむりむりカタツムリ)、それ以降のパラニューク作品も出版されることになるのでしょう。楽しみです。
そんなわけで、待望の『サバイバー』で、ありがたいかぎりの再販なのですが、思うことが一つだけあるのです。なんというか、帯がうるさいのです。
ね、うるさいでしょう?(表紙の装丁は素晴らしい)。別に帯だから外せばそれで良いのですが、あまりこういった帯が好きじゃないのですね。個人的好みですが。編集者が出しゃばってくる感じも好きじゃないのです。ここ最近の早川書房の流行りなのか伝統なのかは知りませんが、こういった帯が増えてきているように感じます。数年前に発売された津原泰水氏の『ヒッキーヒッキーシェイク』の帯もうるさかった覚えがあります。たしかその時の編集長の「この本が売れなかったら編集者をやめます」みたいな文が書いてあって(うろ覚え)、「うるせーな知らねーよ」と思った記憶があります。ですが、それなりに効果があるのでしょうね。効果があったから引き継がれているのでしょうし。
こういった味付の濃い帯、何かに似てるなーと思っていたのですが、それがツイッターの文章でした。ツイッターはいいねを稼ぐために短いセンテンスの中に大袈裟、誇大、押し付けがましい文章をぶちこんでいますが(ド偏見)、その文化を踏襲しているのでは、と思ったわけです。だから、本の帯も短いスペースの中で味付けが濃くなっているのではないのでしょうか(勝手に思っているだけですが)。流行りを読んでいるといえば、聞こえは良いですが…
そんなことを思いました。そんなことは別として『サバイバー』自体は待望だったので、しばらくパラニュークを楽しみたいと思います。『ファイト・クラブ』を観た後、なぜか自分も強くなった気がして肩で風を切って歩いたりしましたので(振り返ると超絶にダサい)、『サバイバー』もきっと読み終わった後にはカッコいい渋さの似合う顔面になっていることでしょう。