後ろ向きには最適の日々

雑駁なあれこれ

なめらかに年を越える

 1月2日。今年も特に年末年始っぽいことは何一つせず新年を迎えました。平常運転です。私は蕎麦が好きでたまに無性食べたくなることがあるのですが、大晦日に蕎麦を食べるなんてだせぇことしたくないという痛さも兼ね備えているので、大晦日もぐっと我慢しました。そして今日になってようやう食べることができたわけです。一体誰に向けての我慢なのか。

 年末年始の感覚って、テレビ番組に紐付いているんだな、と感じます。テレビをほとんど観ない生活も10年くらいになるので、年末年始感がそれに伴って薄れているのだと近年になってようやく気づきました。昔(中高生の頃とか)、あれほど年末年始にワクワクしていたのは、テレビ番組のおかげだったからなのでしょう。今は、気になる番組が配信でもやっていたら後から観る程度です。唯一、紅白で日向坂46さんのステージを観たぐらいです(花柄カラフル衣装バチクソに可愛かった。何あれプリンセス軍団じゃん)。紅白歌合戦は視聴率うんぬんでとやかく言われることもありますが、私は嫌いじゃないです(ちゃんと観なくなって久しいですが…)。今年の視聴率は34%ぐらいと出ていましたが(そして最低視聴率だと批判されていましたが)、そもそも国民の1/3が観てるコンテンツなんて他にないんじゃないでしょうか。オリンピックよりもみんな観ているじゃないか。というかエンタメなんだからもっと気楽に観れば良いのに。

 あと、文脈と関係ないですけど、紅白も女性と男性でわけるのは時代錯誤だと言われるようになるんだろうな、とふと思いました(もう言われている?)。あるいは将来、完全にAIのアーティストとかが現れたらどっちに入るんでしょうかね(もういる?)。

 そんな1月2日。昨日も今日も研究室で過ごしました。さすがに昨日の元旦は人がほとんどいませんでしたが、2日ともなるとポツポツと見かけます。学生も教員も。理系の学部だと正月だからといって休まない人が多いのかもしれません。ちょっとだけ同志のような感覚があって嬉しくなりました。サンプリングをしたり論文を書いたり。研究室にも人が少ないので大変捗りました。

 

 小説と並行して読んでいた新書を2冊読み切りました(テレビを観ていなかった代わりにラジオを聴くか本を読むぐらいしかなかったのです)。

 

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 講談社新書で先月出版された橘玲氏『裏道を行け ディストピア世界をHACKする』はあまりにもそのイキったタイトルに一目惚れして買いました(橘氏の本は1冊も読んだことなかったです)。昨年発売された早川書房から出版された『闇の自己啓発』を買ったときと同じ高揚感。しかし内容は微妙でした(私にとっては)。うまーく世界のシステムのスキを突いて成功した人らの説明がいくつか並んでいると思えば、別の章では依存症の説明に飛んだりと、とっちらかっている印象。新書サイズのページにするには仕方ないのかもしれないけれど… 橋元淳一郎氏『空間は実在するか』は、人間は「時間」の不思議さには関心があるけど(そういう本はたくさん出てるし)、実はあまり意識されてない「空間」も同じぐらいちゃんと考えてみるとヘンテコな性質がありまっせって感じの本(クソ要約)。こっちは面白かった。特に最終章でおまけ程度に書かれてた氏の「過去の光は現在の私には伝わってくるけど(星の光は過去の光だというアレ)、なぜ未来の光は伝わってこないのか?」という仮説が面白かった。本編よりもポロッと説明されるおまけ部分の方が興味ひかれるのは、授業受けてるときみたいな感覚でした。