後ろ向きには最適の日々

雑駁なあれこれ

勤労感謝とイキリ論文集

 11月26日。金曜日。今週の火曜日は祝日だったようですが、研究室に着くまで気づきませんでした。車を駐車場に停めようとしたときに「今日異常にすいてんなぁ」なんて思ってようやく祝日だったことを知った次第です。その程度のもんです。勤労感謝の日とのことですが、いったい誰が誰に感謝する日なのでしょうかね。国から国民でしょうか。でも、祝日だからといって国民全員が休みというわけではないのだから、休日という形は不公平に感じます。もっとこう、勤労者全員にお金を配る、といったほうが公平だし貰って嬉しいよなぁ、なんてほんのりと思いました。

 さて、そんな今週ですが、ずっと実験室の整理をしていました。土曜日(すなわち今日)から年末までサンプルを採取したり解剖をする日々が続く、ちょっと気合いれないとしんどいスケジュールになるため、その準備をしていたのでした。それ用の試薬を作ったり、インキュベータの準備をしたり、ついでに掃除をしたりと、なんだかんだ夜までかかっています。先日は実験に使う予定の古い機器のコンセントのプラグが穴に適していないことに今更気づき、愕然としました(コンセントプラグの2つある凸の一つだけが横向きかつ、三芯というわけわからん形)。それじゃあ変換するコネクタがないかと調べたところ、一般に流通もしてないそうで、途方にくれました。色々ググってみると自作でコンセントプラグを改造している人もいたのですが、さすがにそこまではちょっと怖いのでできません。工学部に頼んだらやってくれるのかしら。結局ボスと相談して業者を呼ぶことに。イレギュラーなアクシデントです。この機会に電気工事士の資格とろうかしら…

 そんな日々です。

 話は変わりますが、最近はまた読書量が多くなってきています。アウトプット量が多くなっている現在(発表や講義のお仕事など)なので、逆にインプットしたくなっているのかもしれません。運動するとお腹が空くのと一緒なのでしょう。西加奈子著『夜が明ける』は読みましたが、他にもフィクションもノンフィクションも色々読みました。

 樋口恭介編『異常論文』はへんてこ論文集。論文形式の作品といえば、スタニスワフ・レムの『完全な真空』(これは架空の本の書評集の形式だけど)や、架空論文の申し子、松崎有理氏の『架空論文投稿計画』などが有名ですが、それらにも劣らずのイカれ論文集となっています。帯には樋口恭介氏の得意とするイキりっぷりも健在です(そもそも作家にはこうしたイキりっぷりが必要なんでしょう)。

 

f:id:sibainu_08:20211127063831j:plain

 素晴らしいイキリ帯。

 面白い作品集だったけど(難解なものもあった)、早川書房の作ったブームにうまく乗せられてしまったなー、とも感じてしまいます。最近そういうの得意なんですよね、早川書房

 いろんな人が寄稿している作品集ですが、もともとはSFマガジンの異常論文特集がきっかけで作られた本らしいです。その特集が組まれるきっかけとなったのが柴田勝家氏の『クランツマンの秘仏』という短編なのですが、集録されている同じく柴田勝家氏の『火星環境下における宗教性原虫の適応と分布』も面白かったです(タイトルだけでワクワクするでしょう?)。他にも色々と面白い作品が詰まっていたのですが(難波優輝氏のとか酉島伝法氏のとか伴名練氏のとか)、私も正常論文なんて書くのやめてイカレとんちき論文を書きたくなりました。そんな危険な作品でございました。