後ろ向きには最適の日々

雑駁なあれこれ

警察犬ドローンかわいい

 12月8日。日曜日。冬場になるとあっという間に土日が終わるなぁ、と思う日々です。といっても平日も週末も変化に乏しい生活を送っているので影響は僅かですが。今日も朝からいつものように喫茶店にて作業。昨日は帰ってくるのが遅かったため、ほとんど眠る時間もなく喫茶店へ。今日もじいさんばあさんであふれています。クリスマスソングにも負けず、音声ボリュームのぶっ壊れたじいさんばあさんにも負けず、黙々と論文を書いております。途中、座ったカウンタ席の隣のじいさまが盛大に水をひっくり返してパソコンくんが水没したのを除けばなんの問題もありません。しかしなんでじいさんは謝らないんだなめてんのか。

 …という感じで理不尽なことにも負けず強く生きていますが、先日は講義のお仕事が終わった後に映画を観に行ってきました。

 

 『HUMAN LOST 人間失格』を観に行ってきました。どういう映画かと言われても説明がややこしいのですが、太宰の『人間失格』を未来の進みすぎてしまった社会システムという舞台で描きなおした、要はSFアニメーション映画です。いやぁ…面白かった…(率直な感想です)

 太宰の人間失格を読んだのはもう10年近く前なので細かいやり取りなどはほぼ忘れていたのですが、映画を観ながら「この展開、あの場面のオマージュかな」と思うようなシーンがいくつかあったりと、色々と考えながら観ることが出来ました。舞台もストーリィも全く違うのに、しっかりと太宰の人間失格の要素が盛り込まれていて、終わってみれば「あぁ、紛うことなく人間失格だったな」という感想になってしまったのが、この映画の凄まじさなのでしょう。

 なので、太宰の『人間失格』を読んだことがある方はイメージしやすいと思いますが、作品としては陰鬱としていたり後味のとっても悪い胸糞展開が続きます。そもそも生死をひとつのテーマに置いた作品はそれだけで重苦しさが出るものですが、それだけにとどまらない原作小説の暗鬱さが見事に表現されていて、観終わった後はいやーな気持ちになります(でも面白いのです)。それでいて、アニメーションとしてはCGを存分に活用したスタイリッシュな観せ方をするTHE SFアニメーションって感じなので、それがより一層後味の悪さを際立たせております。臨場感溢れるバトルシーンがたくさん出てきたはずなのに…!

 とまぁそんな感じで、褒めてんだか褒めてないんだかわからないような感想になってしまいましたが、面白かったのは間違いないです。精神の弱っている時にはあまり観たくない映画かもしれませんが… 

 そしてその『HUMAN LOST』の前日譚を描いた小説も映画の公開と共に出版されたようで、昨日買ってきました。こっちも楽しみです。『息吹』もまだ読んでいる途中なので手をつけるのはいつになるのかわかりませんが…