後ろ向きには最適の日々

雑駁なあれこれ

時をかけるリモコン

 10月1日。土曜日。ようやく秋らしい涼しさを感じたよく晴れた1日でした。

 9月の終わりにハードめの研究発表があって、その準備もろもろに時間を割いていたため、それ以外のことに手が回らない状況が続いていました。それもようやく終えたので、ちょっとだけ余裕のある今日この頃でございます。昨日は久しぶりに映画も観に行くことができました。

 というわけで『四畳半タイムマシンブルース』を観ました。『四畳半タイムマシンブルース』はヨーロッパ企画の『サマータイムマシン・ブルース』と森見登美彦四畳半神話大系』のハイブリット作品で、『四畳半〜』のキャラクタが『サマー〜』の物語をなぞっていく作品です。元となったどちらの作品も好きなのですが、特に『サマー〜』の方は原作厨の自覚があるくらい好き(瑛太上野樹里主演の映画版はDVDも買って10回くらい観た)だったので、『四畳半タイムマシンブルース』は単行本が出た時も「豪華な二次創作」ぐらいの感想しかありませんでした(『四畳半〜』もめちゃくちゃ好きな作品ではあったけど。BDも買ったし)。

 なので、そんなに期待せずに観ました。ですが、結局中村佑介デザインのキャラクタが動いていて坂本真綾の声の明石さんで、そして最後のスタッフロールとともにアジカン流されたら、もうそれだけで大満足なのです。大満足でした。オタクは本当にちょろい。とにかくアジカンによるエンディング曲『出町柳パラレルユニバース』が素晴らしすぎた…

 

 あと、15年くらい前に初めて小説の『四畳半〜』を読んだときに「明石さんマジで理想のヒロインだな…」と思ったのですが(キモいこと言ってら)、それが15年の時を経て今スクリーンで観ても変わらず「明石さんマジで理想のヒロインだな…」と思ったので、本当にタイムマシンに乗ってやって来たのは明石さんだったという可能性は否定できません(激キモいこと言ってら)。いやはや、良い作品でございました。

 そのほか、最近読んだ本について。

 9月は下旬にかけてなかなか時間がなかったので、大幅にペースダウンしました。高水裕一『宇宙人と出会う前に読む本』はブルーバックスのわりにふざけたタイトルだったのでつい買ってしまいました(中身はもちろん真面目)。くだけた文章でかなり読みやすかったです。だいたい宇宙物理学の話。『プロジェクト・ヘイル・メアリー』を思い出しました(これはちょっとしたネタバレ)。

 森田真生『数学する身体』は読む前に想像していた内容とは違っていたけどそこそこ面白かった。岡潔の話が特に興味深かったです。

 森博嗣ダウン・ツ・ヘヴン』は恒例の謎新装スカイクロラシリーズ。このシリーズ、初めて読んだのがかなり前だったので内容をほとんど覚えていなかったけど(さすがに1作目の『スカイ・クロラ』は印象が強かったし映画も観たので覚えているけど)、改めて読み直していて「あぁ、こんな場面あったなぁ…!」と映像化されていないはずなのに瞬時に映像で再生されたシーンがあって、人間の記憶力も侮れんなぁ…と思いました(最早作品の感想じゃない)。文章は相変わらず無駄を排していてクリアで美しいです。

 そんな、読書と映画の秋でございます(別に秋じゃなくたって本は読むし映画も観る)。