後ろ向きには最適の日々

雑駁なあれこれ

飛行機が怖い

 飛行機がちょっとだけ怖い。飛行機に乗ることも大人になってだいぶ増えてきたわけだけど(といっても国内線ばかりだ)、この「ちょっとした怖さ」には未だに慣れないでいる。「ちょっとだけ」というのがくせ者で、飛行機に乗るということへの非日常的なワクワクもあるのだけれども、差し引きするとやっぱり少しだけ怖いが上回るのである。

 なので、飛行機に乗るときは毎回ちょっとだけ緊張している。もちろんこっちはいい年こいた大人なのでそんな表情はおくびにも出さず「はいはい飛行機ね」的な顔をしているものの、心の底では毎回ちょっとだけビビっている。飛び立つ前の添乗員さんの諸注意はちゃんと聞くし、前ポケットに入っている「緊急時のしおり」みたいな説明書きも毎回しっかり読み込んでいる。というか、添乗員の諸注意の説明ちゃんと聞いてない人はなんなんだ。そんなんで急に呼吸器が実際に降りてきた時にちゃんと使えんのか???なんて思う。別に言わないけれど。自分が生き残ることを考えるだけでこっちは手一杯だ。

 無事に飛び立って機体が安定したあとでも油断はできない。そもそも、機体が安定したからってシートベルトを外して良い、という理屈になるのか?と毎回思ってしまう。そういうものなのか。高速道路だって合流したあとにシートベルト外して良い、ってわけじゃないだろうに。しかも空の上だぞ。だからシートベルトはずっとつけっぱなしでいる。あと、それは別としても「もしどっかのネジが外れてたらどうしよう」とか「客の中に馬鹿野郎がいて、そいつが空の上で写真とってインスタにあげようとした時に電波が飛行機のなんかの装置と干渉して壊れたらどうしよう」とか、そういうあらぬ想像ばかりをしてしまう。だから客席にも目を光らせている。孤独な戦いだ。

 あと、機長の顔がわからないのもちょっと怖い。できることなら最初の添乗員さんの諸注意の時に出てきてほしいか、乗るところに機長の顔写真を貼っといてほしい。「もし昨日のお酒が残っていて赤ら顔だったらどうしよう」とかよからぬ想像は無限に出てくるのだ。できれば時任三郎みたいな顔の機長であってほしいのだ(完全に『ハッピーフライト』のイメージ)。

 無事に降り立ったあとも、預けた荷物がちゃんと出てくるかも心配の種のひとつである。飛んでる途中に荷物室のハッチが外れていて落ちていっているんじゃないか、とか、間違ってアメリカとかに運ばれていってないか、とか考えてしまう。そんなことは一度もなかったのだけれども。

 今回も奇跡的な確率でどうにか無事に岩手まで往復してくることができた。