後ろ向きには最適の日々

雑駁なあれこれ

ダンス・ダンス・ダンス

 10月23日。日曜日。今日も暖かく良く晴れた一日。昨日に引き続き今日も研究棟が停電&断水なので、家で過ごしました。せっかくのタイミングだったので部屋を掃除したり、夏服を片付けて代わりに秋冬用の服をひっぱり出しました。家だな!って感じの過ごし方でした。あと、ストーブ用の灯油も買ってきました。エアコンの暖房が嫌すぎて毎年冬はストーブで暖を取っています。乾燥するのも苦手ですし、温かい風が体に当たっているのを意識してしまうと、それが気になってイライラしてくるのです。で、ブチギレて暖房を消すとそれはそれで寒ぃし。意味わからんな暖房。なんで流行ってんだ。

 日本シリーズが始まったようで、その時間帯で聴いているラジオ番組がのきなみ放送休止しています。未だにラジオで実況を聴いている層が一定数いることに、野球というコンテンツの強さを感じます(だから放送も野球が優先されているのでしょう)。私自身は一切観ないので(シーズンでどこが勝ったのかすら知らない)、いつもの放送が休止していることに「なんじゃい!」と思っています。ラジオは習慣であり生活の一部のコンテンツなので、それはすなわち生活の一部が奪われているのとほとんど一緒なのです。一昔前、20年前ならいざしらず、令和になっても未だに野球はそういう位置づけなんですね。それぐらい私は野球を全く観ないのですが、小中は野球をやっていたので不思議なものです。やるのは好きでしたが、見るのは苦手なのですよね。野球。だって試合長ぇし。なんで流行ってんだ。

 

 最近読んだ本の話。長谷敏司プロトコル・オブ・ヒューマニティ』を読みました。

 いやー…面白かった。その一言につきます。2022年も面白い作品をたくさん読んだなーと思っていたのですが、まくってきました。長谷敏司氏の作品は『あなたのための物語』ぶりだったのですが、帯の「10年ぶりの最高傑作」の煽り文に負けない傑作っぷりでした。

 ダンスという言語を介さないコミュニケーションが、いかにして観客の心を動かすのか、といったことがテーマです。それを解き明かしていくのに、AI義肢という技術を使い展開していきます。そもそも言葉を使わない表現(ダンス)についてを、「小説」という言葉に依存したコンテンツで主題にしているのがすごい。そういった矛盾を根底に孕みながら、違和感なく、ストーリーも面白くしてんだから著者の力量は凄まじいものです。演者と観客の関係についてから、人間性の原理、ロボット工学、AIそしてこの国の抱えている生々しい介護や身体障害の社会問題など、ぎっしり詰まっていて、読み応えのある作品でした。あと、最近別の本で読んだり個人的に調べていた自由エネルギー理論についても取り扱っていてニヤリとました。

 小難しい話も多かったのですが、主題は「ダンス」です。アイドルやアーティストのステージパフォーマンスに心を打たれて「なんだこの言語化できない感覚は!」と思った経験のある人にはぶっ刺さるかと思います。私はぶっ刺さりました。

 そんな日曜日です。