後ろ向きには最適の日々

雑駁なあれこれ

読書好きとつながらなくていい

 10月8日。土曜日。今日もすっかり秋の気候で過ごしやすい一日でした。毎年「夏と思っていたら急に冬になった」「秋ねぇじゃん」というワードを聞きますが、そんなことはなくやっぱり秋は毎年あるのです。そういう無粋なことを毎年恒例のように言っている人は、自主的に秋を見つけようとする気持ちが足りていないか、あるいは冬の寒さを舐めています。冬の方が絶対さみぃし。また、NFLを観るようになってからは、どれだけ暑くてもそのシーズンになると「もう秋だねぇ」と思うようになりました。アメフトは秋の季語。いや冬の季語かな…

 昨日の金曜日は講義のお仕事。後期の講義が始まっています。また、長距離移動が多かったため、その移動時間を使って小川哲『君のクイズ』を読み切りました。作家買いです。

 絶賛コメントの並んでいる帯は装丁デザインを殺していて個人的には好きじゃないのですが(あとどれだけ有名人がコメントしてようと「所詮他人だし。俺の感想とは関係ねぇし」と思ってしまうので)、悔しいかな、やっぱり面白かったです。でも著名人の絶賛コメントがあったからじゃなくて、著者への信頼で買ったんだからな(しょうもない意地です)。

 前にも書いたことかもしれませんが、私自身はクイズ番組というもの自体が好きじゃなく、競技クイズにも興味ありませんでした。なんというか「知識を問われてもそんなんググれば一発じゃないか」と思ってしまうので。でもそれはきっと「100m走なんて原付で走った方が早いやろ」と言ってしまうぐらい野暮なことなんでしょう。人間がやるから意味があることであって。その、わざわざ人間がやることの意味と面白さ、みたいなものにほんのりと触れられた作品でした。

 「とあるクイズ番組の決勝、対戦相手は勝者を決める最後の問題で、問題文を読み始める前に早押しし、そして正解した。それはなぜか…?」というあらすじ。タイトルからして『ザ・クイズショウ』みたいな感じか…?と思いましたし、やっぱりその通りでした(ネタバレかもしれないけど、それぐらいは想像できるでしょう)。しかし競技クイズというものをちゃんと観たことなかったので、新鮮な感覚で楽しめました。あと、小川哲作品は夏に出版された『地図と拳』を未読で積んでるのに、先にこっちを読んでしまいました。それぐらい『地図と拳』がド分厚くて怖気付いています。

 なんだか読んだ本の感想ばかり書いてしまったな。そうえいばツイッターでは「読書好きとつながりたい」というハッシュタグが古くからありますが、あれがめちゃくちゃ苦手です。人とつながるために読んでるんじゃねぇし…と思ってしまうので。結果的につながる・仲良くなることは別として。どう考えても書かなくてよかった事だなこれ。

 そのような最近でございます。