後ろ向きには最適の日々

雑駁なあれこれ

オキシトシン

 8月20日。木曜日。昨日のことについて今更(諸々の作業が嫌になったので時間つぶしに)。朝からうだるような暑さの一日でした。昨日書いたように、朝から農場で牛関係の作業でしたが、何を血迷ったか徹夜あけで作業をすることに。これが良くなかった。本当に良くなかったです。「寝不足は熱中症にかかりやすい」とはよく言われていますが「まだまだ若ぇし大丈夫だろ」と調子に乗っていました。もう、作業をし始めて1時間ぐらいでフラフラです。頭はクラクラ、汗はびしょびしょ。出来の悪いナゾナゾみたいです。「あ、まずいな」と思って水を1Lくらいがぶ飲みして、少し休んで、そのおかげで幸い大事には至りませんでしたが、今思えばあれが熱中症の初期症状だったのでしょう。そんな感じで人間様がヒィヒィ言っている間にも、見渡してみれば放牧地で牛が美味そうに草をはんでいます。つえーな、牛。のんきだな、牛。肉牛って体真っ黒なのに暑くならないのかしら。

 さて、農場での作業はそんな感じでしたが、昨日はたまたま母牛の分娩シーンを見学するタイミングがあり、ラッキィでした。牛の出産に立ち会う(といっても眺めていただけでしたが)のは初めてです。普段は鳥の研究とか実験ばかりしているので産卵や孵化は割と身近な現象ととらえておりましたが、やはり哺乳類となるとスケールが違います。私は詳しくなかったので、研究室の若い子に色々と教えてもらいながら見学していました。駆けつけたときには仔牛の前脚がすでに出ていて、そっから母牛が向きを何度か変えつつ力んだり休んだり、それに伴って少しずつ仔牛の口元(顎元?)が出たり入ったり。それを何度か繰り返しているうちに、あるタイミングで一気にズリーンと。あっという間でした。その母牛は初産だったため時間がかかることも懸念されていましたが、安産だったようです。はぇ〜って感じで阿呆面ひっさげて眺めておりました。

 また、牛に対しても分娩促進剤みたいなものがあるようで、それを注射することである程度分娩時間をコントロールできるそうです。教えてもらいました。この辺は人間のお産と同じのようです。中身については聞くのを忘れましたけど、なんでしょうね。オキシトシンとかでしょうか(勝手な想像です)。

 オキシトシンは下垂体後葉から分泌されるホルモンで、特に分娩時に効果を発揮します。子宮筋に働いて収縮させたり(それによって赤ちゃんを外に出そうとするのです)、乳汁の射出に働きます。つまりお母ちゃんホルモンですね。近年ではその他にも絆の形成など、社会性の形成にも関与しているとか報告されているのですが、その結果「愛情ホルモン」だとかうさんくさい扱われ方もされております(オキシトシンで調べるといっぱい出てきます)。しかし、あくまでもそれらの効果はメインではないので(こう書くと「何をもってメインなのか」と話はまたこんがらがってくるのですが…)、そういった扱われ方をするのは個人的には「う〜ん」と思います。確かにそっちの方がわかりやすいし受けはいいのかもしれませんけどねぇ〜。

 という、ちょっとしたお話でした。作業に戻ります。