後ろ向きには最適の日々

雑駁なあれこれ

「残暑」の逆で、本格的な夏が始まる前から暑いことを指す言葉ってないのかしら

 6月25日。土曜日。今日もめたくそに暑かった一日。どうやら関東の各地で最高気温が35℃をこえていたそうで「あらまぁ大変ねぇ〜」なんて他人ごとのように思っていたところ、こちらの地方も来週は一週間まるまる35℃を超える予報で、真顔になりました。金曜日にいたっては37℃とのこと。人間の住むところじゃねぇぜ。そんな激ヤバな暑さを誇る日本の夏に、いくら節電対策を訴えてもなかなか難しいところでしょうね。人命に直結する暑さですし。あと、なんとなく節電=エアコンの使用を控えること、と刷り込まれていますが、他のモノについてはどうなのでしょうね。そりゃ、家電の中ではエアコンが消費電力が最も高いのはその通りなんでしょうけれども、例えば電気自動車のことがまるで言及されていないのは、なんというか変な感じがします。まぁ、あれだけ環境問題やエネルギー問題の解決策として推進されてきた経緯があるわけですから、なかなかそこを言いにくいのでしょうけれども…(そういえば「オール電化」もあれだけ電力会社が広めようと躍起になっていたけれども、今はだんまりだもんなぁ…)

 さて、そんなつまらない話はおいといて土曜日。といっても、パソコンで作業をするか本を読むかカルディにへんてこ調味料を買いに行っただけの一日でした。いたって平常運転。

 

 今週読んだ本の話。モンティ・ライマン『皮膚、人間のすべてを語る』、木澤佐登志『ニック・ランドと新反動主義』、エイドリアン・マッキンティ『コールド・コールド・グラウンド』を読みました。

 

 色合いが白・黒・オレンジと鮮やかで、我ながら良いチョイス。

 『皮膚〜』はタイトルどおり皮膚についての本。人体について考えた時、中身の臓器やコンピュータである脳についてばかりが重要視されていて、それらに関する本はたくさん出ています。それらに比べると「皮膚」はあまり注目されていません。しかし、外部(物理的な意味合いだけでなく、他人との関係を考えた時も)と接しているものはまず皮膚であって、その意義について述べられています。そう考えると、内側の話だけでなく、皮膚そのものも自身のアイデンティティと密接に結びついているともいえます。この本では、健康や美容などといった著者の専門の医学の話だけにとどまらず、社会性や哲学、宗教などとも結びつけて解説されていて、なかなか面白かったです。みすず書房はこういった絶妙に知的好奇心をくすぐってくるテーマの本をよく出してくれます。欲を言うなら値段がもう2割ぐらい安いと助かるんだけどなぁ…(だいたい3~4千円のイメージ)。

 『ニック・ランド〜』は近年ちょくちょく聞くようになってきた加速主義や新反動主義について、それらのいわゆる「新しい思想」がどのような経緯で成り立ってきたかを解説した一冊。その中心人物であるピーター・ティールやニック・ランドの人となりの話が面白かったです。ぼんやりとワードだけは知っていましたが、だいぶ整理できたような、しかしよりぐちゃっとなってしまったような、そんな読後感。真っ黒な新書デザインは厨二病感丸出しでステキなのですが、中も全ページが黒で縁塗りしてあり、そのせいでやや読みづらかった(文章じゃなくてデザインとして)。

 『コールド〜』はエイドリアン・マッキンティのショーン・ダフィシリーズの一作目(現時点で6作出ている)。表紙デザインがあまりにもクールで気になっていたのですが、ようやく読みました。アイルランド抗争時代が舞台となっているのですが、残念ながら私にその知識が皆無だったので、そのへんの話についていくのはちょっとだけ大変でした(作品はめちゃくちゃ面白かった)。あと、てっきりハードボイルド小説かと思っていたら、主人公ショーン・ダフィが予想以上にタフガイだった。