後ろ向きには最適の日々

雑駁なあれこれ

どどど

 5月28日。土曜日。ここ1周間ほどは、暖かく(暑いぐらい)、しかし雨も多くてじっとりとした日々が続いております。今週も通常運転でしたが、地元の役場に赴く用事があったりと、その分だけ活動的でした。誤差の範囲内ですが。

 

 今週読んだ本の話。今週は、佐藤成美『本当に役立つ栄養学』、森博嗣スカイ・クロラ』、アマル・エル=モフタール&マックス・グラッドストーン『こうしてあなたたちは時間戦争に負ける』を読みました。ノンフィクション1冊とフィクション2冊のペースが続いております。


 『本当に〜』は、今やっている講義のネタ探しも兼ねて読みました。食べ物の栄養について、巷に蔓延る噂(というか嘘)について丁寧に解説した本。生化学は専門でもあるので新しい知見というのはほとんどなかったですが、わかりやすいトピックスが並んでいて、読みやすかったです。体に良いとされているものも、結局摂取しすぎはよくないよね〜というお話。あと、本自体の内容は面白かったのですが、本文中に1箇所明らかな誤りがあったので、それは出版社に報告(問い合わせ)しておきました。今後重版のタイミングで直るのかは知りませんが…

 『スカイ・クロラ』は今週発売の新装版。もともとの単行本は20年ほど前に出版されてて、文庫化も当然されているのに、なんで令和になってこのタイミングで文庫版を改めて発売したのか、まったくもって謎です。私ももちろん読んでいますし、映画も3回くらい観ました(押井守監督作品では一番好きです)。内容も知っているし、家には文庫本もあるのですが、つい買ってしまいました。そんなわけで久しぶりに読み返すことになりましたが、やっぱり素晴らしかったです、『スカイ・クロラ』。巻末インタビュウで「初期の作品の中では最高傑作」と書かれていましたが、納得です。鶴田謙二氏の表紙絵も素晴らしい。

 『こうして〜』は昨年発売されたSF小説。買っていたけど読むタイミングがなく積んでいたのですが、これがね、めちゃくちゃ面白かったです。なんでももっと早く読まなかったんだ…という感じです。歴史改編モノのようで、壮大なスケールの時空モノでもあるのですが、そんなものは些末で、最終的には愛が勝つ、愛しか勝たん、という感じの作品です(何も伝わらない説明ですね)。「セカイ系」とも言えるのでしょう。いや、めちゃくちゃ面白かったです。2021年発売ですが、今年読んだ作品の中でもベスト5に入る面白さでした。なんで世間に見つかってないんだ…と思ったら今年の第53回星雲賞海外SF長編部門にしっかりノミネートされていました。良かった良かった。どうせ三体が受賞するんでしょうけれども(次点で『プロジェクト・ヘイル・メアリー』)、個人的に推していきたい作品でした。