後ろ向きには最適の日々

雑駁なあれこれ

まったり

 5月1日。日曜日。朝から雨だった一日。世間ではゴールデンウィークに突入したそうですが、今年は雨が多いですね。まぁ、そういう年があっても良いじゃないですか。気温も低い日が続いていて、朝晩は冷えます。30℃近くまで暑くなる日に比べたらだいぶマシですが…

 さて連休ですが、特にどこかに出かけるという予定は今の所ありません。あるとしても連休を外して出かけるようにしています。どこも混んでいますし。研究室で過ごしたり家で過ごしています。

 家にいることを「家でまったりと過ごす」と言ったりしますが、よくよく考えると「まったり」ってなんなんでしょうかね。「まったり」にはなんとなく粘度が高いイメージがあるので、家でゴロゴロしたりゆっくり過ごす的なニュアンスなのでしょうか。しかしこのご時世、リモートワークも増えていて、家にいても忙しく働いている人だって多いでしょう。なのでこの「家でまったり過ごす」って言葉はそのうち死語になっていくんじゃないかな、とふと思ったのでした。

 

 最近読んだ本の話。今週は高島雄哉『エンタングル:ガール』、マルクス・ガブリエル『わかりあえない他者と生きる』、永野裕之『教養としての「数学Ⅰ・A」』を読みました。小説1冊と新書2冊。良い感じのペースです(良い感じのペース?)。

 

 高島雄哉『エンタングル:ガール』は、本格SFアニメ作品『ゼーガペイン』の前日譚というか番外編らしい。そもそも私は『ゼーガペイン』を観たことがなかったので、単行本が出た時に「どうすっかなぁ…」と思っていたのですが、悩んでいるうちに文庫まで出てしまったので、結局アニメを観ることなく読んでしまったのでした。高島雄哉氏の作品では『ランドスケープと夏の定理』が面白かったのでほぼ作家買いの感覚です。で、『エンタングル:ガール』。前半の日常パート?はやや退屈でしたが、物語(というかその世界)の核に触れてからは面白く読めました。シュタゲに似ているかも(日常パートがやや退屈だけど…ってのが)。AIやドローンを使ったガジェットがたくさん出てきて、そこは読んでいてワクワクしました。しかし、一見、平和な日常ものの作品のように見えて(表紙絵にもその意図があったのでしょう)、あらすじに<世界のほころび>なんて不穏なワードが書かれていたら、「あぁ、なるほどきっとああいう展開なんだろうね」ってその時点で読めてしまうよなぁ…。実際にその展開でしたし。それが小説作品の難しいところかもしれないですね。表紙絵、帯、裏表紙のあらすじなどのヒントが多すぎる問題。まぁ、それらを抜きにしても面白かったです。いい加減『ゼーガペイン』も観なくちゃなぁ…

 マルクス・ガブリエル『わかりあえない〜』は、著者の『なぜ世界は存在しないのか』(講談社選書メチエ)を昔に面白かった記憶があったので、衝動買いでした。しかし今回の本では「なるほどそうだよね」と納得できる部分と、「本当にぃ〜?」と納得できない部分がちょうど半々って感じでした。あと、著者の写真が表紙にでっかく載っている新書って、それだけで胡散臭さが倍増する気がします。書店で平積みにされている著者写真どーん本ってだいたい胡散臭いでしょう?(個人的な偏見です)だけど、それなりに効果があるから出版社も続けているんでしょうね。

 『教養としての「数学Ⅰ・A」』は、暇つぶし用に買ったやつ。時々数学をいじりたくなってこういう本を読み漁っているですが、個人的にはこちらはイマイチでした。著者の意図(「数学」を単なる受験勉強じゃなくて、論理的な思考力を身につけるツールとして学びましょう)は理解できるものの、新書サイズで数学Ⅰ・Aの範囲をすべて網羅しようとしていて、結局どれも浅い話で終わってしまっていた印象です。もっと絞った方が良かったのではないかと。あと副題の「論理的思考力を最短で手に入れる」って、結局著者の意図とはずれた受験テクニックみたいな印象をもたれてしまうのでは、と思ったのでした。たぶん編集部が悪い(勝手な想像)。