後ろ向きには最適の日々

雑駁なあれこれ

ぴくせる・本

 ふと振り返って過去の記事に目を通してみたところ、「こいつSFとアイドルの話しか書いてねぇな…」と思った今日このごろです。何一つ有用なことを書かず、だらだらと日常を吐き出すだけの機械。一体誰が興味あるのか。そんな3月13日の日曜日でございます。

 先日からPixel 5aを使い始めているのですが、思っていた以上に端末が賢くかつサクサク動いて驚いています。長い間、携帯電話とスマートフォンの2台持ち、しかも「スマート」とは名ばかりのカクつきフリーズ上等のおバカ機種を何年も使っていたため、一気に進化した感覚です。マヂ黒船来航、マヂ文明開化。もともと、電話をするには携帯電話の物理ボタンが大変便利だったので愛していたのですが、さすがにガラケーだけでは不便な世の中のため、仕方なくスマートフォンも持っていたのです。それがこの度、ようやく一台に集約されたのでした。

 しばらく(おそらく2,3年)はこのPixel 5aを使い続けることでしょう。Pixel 6aの発売がどうだとか、IPhone SE3がどうだのニュースが出たばかりですが。

 

ーーー

 最近読んだ本のこと(結局本の話になるのよね)。

 ここ最近はノンフィクションばかり読んでいたそのぶり返しか、今週はまたフィクションを作品を読む週でした。

 

f:id:sibainu_08:20220313175027j:plain

 ハヤカワ文庫、しかもちょっと前(ここ5年くらい)の国内作品ばかり。明らかに積読消化です。

 上田裕介『ショウリーグ』、小川一水『アリスマ王の愛した魔物』、江波光則『我もまたアルカディアにあり』を読みました。

 『ショウリーグ』は野球がテーマの物語。普通、スポーツの試合は「筋書きのないもの」ですが、それを逆手にとって、投球・打撃・守備、そして勝敗にすら台本・シナリオがあって「ショウ」として見せることに特化させた野球リーグがあったら…というお話。題材はなかなか面白かったのですが、読んでいるうちに既視感があったのは、おそらく『ONE OUTS』の影響でしょう。ハヤカワ文庫ですが、SFではない作品でした(そもそもSFって何か…という面倒くさい議題は遠く彼方にぶん投げておきましょう)。

 『アリスマ王の愛した魔物』は『天冥の標』シリーズでおなじみの小川一水氏の短編集。個人的には小川氏は長編よりも短編の方が好みです。星雲賞も受賞した表題作も面白かったのですが、私は書き下ろしの「リグ・ライトー機械が愛する権利について」が一番好みでした。自律式運転車に乗せられているAIについての話です。あらすじやタイトル、設定だけ見ると、まずアシモフの『サリーは我が恋人』が思い浮かぶことでしょう(そうでしょうそうでしょう)。まぁタイトルの時点である程度テーマがわかる作品ではありますが。あとこの「リグ・ライト〜」は百合要素も足されていて新鮮でした。というのも、小川氏の最近の作品では、百合要素のあるSF作品(『ツインスター・サイクロン・ランナウェイ』)が有名ですが、以前からそういう要素のある作品も書いていたんだな…と今更ながらの発見でございました。

 

f:id:sibainu_08:20220313183524j:plain

 ※参考:『ツインスター・サイクロン・ランナウェイ』。最近続編が出た(まだ読んでいないけれど)。あと、数年内におそらくアニメ化すると思います。

 

 『我もまた〜』は終末世界を題材とした作品。この作者の方の作品は初めてでした。読みながら、政治色強いなぁ〜と思っていたのですが(終末の世界にも左翼的なデモを行う人々がいたり、など)、後から作品のレビューを漁っていると、どうやらもともとそれが作者の作風とのこと。そういった事を別としても、なかなか物語の構造を把握するのには読みづらい作品でした(読みづらいことと作品の面白さは無関係)。あと、陰気なストーリィが淡々と続いていくので、読んでいてなかなか気が滅入りました(気が滅入ることと作品の面白さは無関係)。