後ろ向きには最適の日々

雑駁なあれこれ

ワークマン、ヒロイン、謎

 12月3日。金曜日。今日も朝から寒い一日。先日ワークマンで買った激安クソあったかもこもこパーカーが役に立っております。裏地がアルミになっていて、伸縮性もあって、外作業のときに便利です。もこもこパーカーなのに謳い文句の一つが「内ポケットに500mlペットボトル✕2本とタブレット端末が収納できます」は謎機能ですが、ぬくぬくなので文句は言いません。

 上着に限らず、ズボンも下着も防寒防風機能が良いので、冬物を買うのにワークマンはよく利用しています。いかにもデザイン全捨て機能特化という、男らしいブランドです。最近は「ワークマン女子」という、時代に逆行した名のブランドを立ち上げた結果、意味がわからなくなっているところも前時代的で良いです(決してワークウーマンではない)。そういったオシャなブランドを作ったにも関わらず、私のよく行くワークマンは客がほぼ仕事終わりの作業着の男です。駐車場に止まっている車、だいたい軽バンかハイエース

 さてそんな金曜日。実験室にてサンプリング作業が続いています。血液を採取するためのシリンジが、サイズの合うもの(1mmサイズ)が切れかけていたので、あわてて注文しました。こういう「うわーないやんけ、なんで注文しとらんねん!」ってことがちょくちょく起こります。今は注文したら数日で来るのでマシですが、年末に起こるとちょっと、いやかなり困った自体になります。そんなバタバタとしたサンプル採取作業を終え、あとは資料をごちょごちょと作っていました。定期試験(2科目目)の問題も作成。

 最近は本ばかりを読んでいて、ドーキンスの『利己的な遺伝子』をメインで読んでいる話は前にも書きましたが、その他にも並行して色々と読んでいます。一冊だけを読むのは飽きてしまう性分なので常に3〜4冊ぐらいを同時に読んでいます。フィクションもノンフィクションも。そんなわけで最近、三宅香帆氏の『女の子の謎を解く』を読みました。

 

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 ちなみに著者の三宅香帆さんは、キョコロヒー(テレ朝でやっている日向坂46の齊藤京子さんとヒコロヒーさんのトーク番組)の記事をつい先日書いていて、その記事が面白かったので本を買ってみたわけです。

 

bunshun.jp


 それにしても「女性の書評家さんなのに今の時代っぽくないタイトルだなー」なんて思いましたが、案の定そのこともあとがきに言及されていました。そりゃそうか。まぁ、出版社の意向だとかうんぬんがあるのでしょう…

 内容は、ヒロインの活躍する物語について、それぞれのキャラクターやキャラクター(女の子)同士の関係性をどう読者が受け入れているのかとか、その作品が作られたときの時代の変遷について。著者の主張に納得するところもあれば「それは主張に合う作品を選んでいるからだけなのではぁ?」なんて思ったり。そもそもが書評ってそういうものなのかもしれませんが。萩尾望都作品の書評は面白かったです。

 あと、アイドルグループの流行の変遷を現代の新自由主義や競争社会と結びつけて論じているページが興味深かったです。これも納得するところと「うーん?」と思うところとがありましたが。例えば、乃木坂46が爆発的に流行した2010年代中盤では、競争社会からの逃走という時代の雰囲気が「居場所を見つけられなかった孤独から抜け出し自分たちの場所を見つけられた」という乃木坂46の物語とマッチしていた、という主張がありました。たしかにそういう時代の雰囲気があったのは納得しましたが、でも乃木坂にもアンダーグループというものがしっかりと存在していて、競争がなくなったというわけでは決してないのでは?と思ったのでした。この本ではアンダーグループのことは一言も言及されていませんでしたが。あと、秋元康プロデュースのアイドルグループについてばかり言及されていましたが(これは著者の好みもあったのでしょう)、それ以前のハロプロ無双時代の分析が全くなかったのがちょっと不満点でした。まぁ、それは他の本でいくらでも書かれているのかもしれませんが…

 日向坂46についてのページでの「もう誰も市場で誰かが傷ついたり、出し抜いたりするのを見たくない。そんなの、現実でお腹いっぱいだ。せめてアイドルくらいは、楽しくやさしく明るくあってくれ。そう私たちは欲望する」の文には全力同意しました。