後ろ向きには最適の日々

雑駁なあれこれ

ホルモン測るもん

 8月6日。木曜日。今日も朝から夏らしい(クソ暑い)一日です。暑いだけならまだしも、私の家は周り一面田んぼに囲まれているため、この時期は湿度もすごいのです。絶賛稲育ち放題です。なので家から外に出た瞬間ムワッときます。おかげで、洗濯物も乾いているはずなのに湿度のせいで「なんか湿っぽいな…?気のせいか…?」と毎回首を傾げています。まぁ首を傾げたところで多少湿ってても関係ねぇけど。こちとら細かい事は気にしない男ですから。がはは。

 午前中に家の事(お買い物とか洗濯とか)をして、午後から研究室へ。だいたい昼頃から研究室に出て、深夜まで入り浸り、深夜ラジオをかけながら帰ってくる、というのが日課です(なので今日はハライチのターンの日)。特に特記するような出来事はなかったのですが、今年度に行う実験計画の打ち合わせを1本だけ。牛舎の牛からとあるホルモンを測定することになりそうです。

 ホルモンは血中を流れている生理活性物質なので、基本的に血液から測定するのが一番正確だし楽です。しかし、動物によってはなかなか採血が難しい場合ってのが多いです(希少動物の場合とか)。また、例えばコルチゾールやアドレナリンといったストレスホルモンが対象の場合、人による採血行為自体がストレスとなってしまい即座に分泌されるため、測定しても「これは正しい値なのか?」となってしまいます。そういった侵襲的な方法(採血や手術など、外部から手を加えて恒常性を壊してしまう方法)が困難な時、動物の糞や尿を利用してホルモンを測定する方法があります(いわゆる非侵襲的手法)。糞や尿なら動物を直接傷つけませんし、採血の技術も不要ですから。人の妊娠検査薬は尿を利用しますが、あれも、尿に含まれるhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)の値を読み取っているのです。hCGは妊娠維持に働くホルモンで、着床すると分泌が促進されますので、それによって判別しているわけです。また、こういった方法は人間だけでなく、例えば動物園にいるような動物に対しても確立されています。特に絶滅危惧種にある動物では、妊娠しているかどうか判別することは、種の保存・維持の観点からも重要ですので(このへんの動物園の意義みたいな話は色々とメンドウなのであまり触れませんが)。

 また、糞や尿からホルモンを測定する方法はメジャーになっていますが、近年ではそれ以外の場所、毛髪や爪、唾液なんかからも測定が可能なことが報告されております。例えばコルチゾールはストレスを感じると分泌が促進されるホルモンなのですが、毛髪にも蓄積されるそうです。そして、例えば失業中の人の髪の毛には、普通の人の髪の毛よりも多くコルチゾールが蓄積されている(それだけストレスを高く受けている)と報告されています。さらに面白いことに髪の毛の場合、伸びるスピードはだいたい一ヶ月に1cm程なので、切った長さの期間で(3cmなら3ヶ月で)慢性的にストレスを受けたかどうかを判断することができるみたいです(報告を読んだだけなので、実際どれぐらいの精度なのかはわかりませんが…)。

  

 といった、ホルモンを何から測定するか、のお話でした。山なし落ちなし。誰が興味あるんだこれ。